キュウリのハダニ被害

ハダニの特徴と見分け方

ハダニはクモの仲間(ダニ目)で、体長0.3〜0.5mmと極めて小さいため肉眼での確認が難しい害虫です。キュウリではナミハダニとカンザワハダニが主要な加害種です。葉裏に寄生して吸汁し、被害を受けた葉は葉緑素が失われて白くかすれたような症状(カスリ状被害)を呈します。被害が進むと葉全体が黄白色になり、落葉して光合成能力が著しく低下します。葉裏に細い絹糸状の巣を張ることでも識別できます。密度が高くなると葉先や茎先に大量のハダニが集合し、風で分散して圃場内に広がります。

クマキチ(focused)
ハダニは高温乾燥で爆発的に増えるから、施設内の湿度管理と葉裏確認が防除の基本なんだよ。

発生しやすい条件と時期

ハダニは高温乾燥(気温28℃以上・湿度60%以下)の環境で爆発的に増殖します。施設栽培の夏季・秋季に多発します。雨が少なく乾燥した露地でも大発生します。窒素過多で軟弱な葉、通風不良、高密度栽培は被害を助長します。一方、多雨・高湿度環境では増殖が抑制されます。7〜9月の高温期が最も被害が大きく、施設内では湿度管理と適度な灌水がハダニ防除の基本となります。越冬した個体が春に作物へ移行するため、圃場周辺の雑草管理も重要です。

農薬(殺ダニ剤)による防除方法

ハダニの防除には専用の殺ダニ剤(アカリサイド)を使用します。通常の殺虫剤はハダニに効果がないか弱いため、必ず殺ダニ成分を含む製品を選んでください。プレオフロアブル(ビフェナゼート)はハダニの神経系に作用し、速効性が高い殺ダニ剤です。コロマイト乳剤(ミルベメクチン)は幅広いステージのハダニに効果があり、葉裏への浸透性にも優れます。カネマイトフロアブル(アセキノシル)は卵・幼虫・成虫のすべてのステージに効果があり、残効性も長いのが特長です。粘着くん液剤は食品成分(でんぷん)由来の物理的殺虫剤で、ハダニの体表を覆うことで窒息させます。薬剤抵抗性が発達しやすいため、必ず系統の異なる殺ダニ剤を輪番で使用してください。

葉の裏に白い点々が現れたら要注意。早めに殺ダニ剤を散布して、被害の広がりを防ぎましょう。
ロボットキャラ(confirmed)

予防と環境整備

施設内の湿度を適度に保つことが最も効果的な予防策です。葉水(葉への散水)は物理的にハダニを洗い流す効果があります。圃場周辺の雑草管理を徹底し、越冬場所をなくしましょう。天敵(チリカブリダニ・スワルスキーカブリダニ)の放飼は施設栽培での有機的防除法として有効です。天敵を使用する場合は殺ダニ剤の使用を最小限に抑え、天敵に影響の少ない薬剤を選択する必要があります。被害株の早期発見のために、定期的に葉裏を虫眼鏡などで確認することが重要です。

薬剤散布時の注意事項

殺ダニ剤は葉裏にしっかりと付着させることが効果発揮の条件です。散布圧力を上げて葉裏まで薬液が届くように丁寧に散布します。ハダニは薬剤抵抗性を獲得しやすいため、同一薬剤を連続使用せず、最大でも連続2回で系統を切り替えることが推奨されます。農薬ラベルの散布回数・収穫前日数を厳守してください。展着剤を加えると薬液の付着性と葉裏への浸透性が向上します。

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