トマトのアブラムシ被害

アブラムシの特徴と見分け方

アブラムシは体長1〜3mmの小型昆虫で、緑・黄・黒など多様な体色をもちます。トマトではモモアカアブラムシやワタアブラムシが主な加害種です。集団で茎や葉裏に密集し、吸汁することで植物の生育を阻害します。被害を受けた葉は内巻きになり、萎縮・黄化が進みます。アブラムシが分泌する甘露はすす病を誘発し、葉面の光合成効率を低下させるため、二次被害も深刻です。また、アブラムシはウイルス病(モザイク病・黄化葉巻病)の媒介者でもあり、吸汁時にウイルスを植物体に伝播します。早期発見と的確な防除が被害拡大を防ぐ鍵です。定期的に葉裏を確認し、小さな虫の集団を見逃さないようにしましょう。

クマキチ(thinking)
アブラムシは葉裏にびっしり潜んでいるから、定期的にめくって確認することが大切なんだよ。

発生しやすい条件と時期

アブラムシは春(4〜6月)と秋(9〜11月)の気温15〜25℃の時期に急増します。施設栽培では年間を通して発生リスクがあります。窒素過多で軟弱に育った茎葉、過密植え、除草不足の圃場は特に被害が大きくなりやすい環境です。天敵(テントウムシ・アブラバチ)が少ない環境や、殺虫剤多用でアリが増えた環境でもアブラムシが増殖しやすくなります。定植後2週間から定期的に葉裏を確認する習慣をつけることが重要です。有翅アブラムシが外部から飛来する時期には、防虫ネット(0.4mm目合い以下)の被覆が有効な侵入防止策になります。

農薬による防除方法

アブラムシの防除には浸透移行性殺虫剤が効果的です。薬液が葉脈を通じて植物体全体に行き渡るため、葉裏に潜むアブラムシにも効果が及びます。アルバリン顆粒水溶剤はネオニコチノイド系(ジノテフラン)で、浸透移行性が高く、散布後も効果が持続します。ダントツ水溶剤はクロチアニジンを有効成分とし、アブラムシだけでなくコナジラミにも有効です。オルトラン粒剤は土壌施用型で、根から吸収させる方法が使えるため、定植時に株元に散布すると早期からの保護が可能です。薬剤抵抗性を防ぐため、ネオニコチノイド系と有機リン系を輪番で使用することを推奨します。散布液にはダイン等の展着剤を加えると付着性が向上し、効果が高まります。

早期に発見できれば薬の散布回数も少なくて済むから、朝の観察習慣をつけるといいですね。
ロボットキャラ(happy-mild)

予防と環境整備

防除の基本は発生前の環境整備です。圃場周辺の雑草はアブラムシの越冬場所・増殖場所になるため、定期的に除草します。シルバーマルチは有翅アブラムシの忌避効果があり、圃場への侵入を大幅に減らします。防虫ネット(0.4mm目合い以下)の被覆は物理的に侵入を防ぐ最も確実な方法です。天敵昆虫を圃場に誘引するために、益虫が好む花(マリーゴールドなど)を圃場周辺に植えることも有効です。窒素過多を避け、カリウムをバランスよく施用することで植物体を丈夫に保つことも重要な予防策です。定期的な圃場巡回で早期発見を習慣化しましょう。

薬剤散布時の注意事項

農薬散布は安全使用基準を必ず確認してください。散布前に農薬ラベルで使用可能作物・希釈倍率・収穫前日数を確認します。散布は風のない早朝または夕方に行い、ドリフトによる近隣への影響を防ぎます。保護具(手袋・マスク・ゴーグル)を必ず着用し、散布後は手と顔をよく洗いましょう。同一系統の薬剤の連続使用は抵抗性を誘発するため、3回を超えたら別系統の薬剤に切り替えてください。

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