
コナジラミの特徴と見分け方
コナジラミは体長1〜1.5mmの微小な昆虫で、白い翅をもちます。トマトでは施設栽培を中心にタバココナジラミとオンシツコナジラミが主要な加害種です。植物を揺らすと白い小さな粉が飛び散るように見えることが名前の由来です。成虫と幼虫の両方が葉裏に寄生して吸汁し、被害葉は黄化・萎縮します。分泌される甘露によってすす病が発生し、光合成効率を著しく低下させます。タバココナジラミはトマト黄化葉巻ウイルス(TYLCV)の媒介者であり、感染すると著しく生育が阻害されます。早期発見が特に重要な害虫です。

発生しやすい条件と時期
コナジラミは高温(25〜30℃)の施設環境で爆発的に増殖します。特に夏季の密閉温室での発生が深刻になりがちです。換気不足・過密植えは発生リスクを高めます。有翅成虫は黄色に誘引される特性があるため、黄色粘着トラップが発生モニタリングに効果的です。定植直後から防虫ネット(0.4mm目合い以下)を展張しておくことで、外部からの侵入を大幅に防げます。越冬した成虫が春に侵入することが多いため、4〜5月の防除が重要な時期になります。
農薬による防除方法
コナジラミの防除には浸透移行性殺虫剤が中心となります。アルバリン顆粒水溶剤(ジノテフラン)は浸透移行性が高く、葉裏の幼虫にも効果が及びます。ディアナSCはスピノシン系の殺虫剤で、コナジラミだけでなくアザミウマにも広く効果があり、抵抗性回避に有効な系統です。アプロードフロアブルはブプロフェジンを有効成分とする幼若ホルモン様作用をもつ殺虫剤で、幼虫段階での防除に高い効果を発揮します。ネオニコチノイド系・スピノシン系・IGR系の3系統を輪番で使用することで、薬剤抵抗性の発達を防ぐ体系防除が推奨されます。散布は葉裏にしっかり薬液が到達するよう、圧力をかけながら行います。

予防と環境整備
施設栽培では防虫ネット(0.4mm目合い以下)の展張が最も効果的な物理的防除手段です。黄色粘着トラップを10a当たり30〜50枚設置してモニタリングと初期捕殺を行います。シルバーマルチは成虫を忌避させる効果があります。換気口にも細目の防虫ネットを設置して外部からの侵入を遮断しましょう。ウイルス媒介リスクがあるため、圃場内への苗の持ち込み時は事前にコナジラミが寄生していないことを確認することが重要です。天敵(スワルスキーカブリダニなど)の利用も有機農業では有効な選択肢です。
薬剤散布時の注意事項
コナジラミは卵・幼虫・成虫の各ステージで薬剤感受性が異なります。幼虫(擬蛹を含む)は動きが遅いため薬液に接触しやすいですが、成虫は飛翔して逃げることがあります。散布は早朝・低温時の方が成虫が活動停止しているため効果的です。農薬ラベルの使用基準を守り、収穫前日数・散布回数の上限を厳守してください。同一系統の連続使用は抵抗性誘発につながるため、必ず系統を変えて輪番使用してください。
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施設栽培でのコナジラミ防除は体系的な取り組みが不可欠です。薬剤散布・防虫ネット・粘着トラップ・天敵利用を組み合わせた総合防除管理(IPM)を実践することで、農薬使用量を削減しながら安定した防除効果を得ることができます。定期的な圃場記録を残し、発生時期・密度・被害程度を把握しておくと次作以降の防除計画に役立ちます。