トマトの高温障害の症状と対策|葉焼け・果実障害を防ぐ方法

トマト栽培では夏場の高温が収量と品質を大きく損なう要因となります。32℃を超える環境が続くと花粉の稔性が低下して着果不良が起こり、果実の肥大にも支障をきたします。適切な高温対策を講じることで被害を最小限に抑えることができます。

トマトの高温障害

高温障害の主な症状

花落ちと着果不良

30〜35℃以上の高温下では花粉の生存率が著しく低下します。受粉が不完全になると花が落ちる「花落ち」が多発し、着果数が減少します。特に第3果房以降で症状が顕著に現れることが多く、株全体の収量が大幅に落ち込む原因となります。

高温が継続すると花粉の放出量も減り、訪花昆虫による自然受粉の成功率も低下します。ホルモン剤を使用していても、高温環境では十分な効果が得られない場合があります。

葉焼けと果実日焼け

強い直射日光と高温が重なると、葉の表面が白〜褐色に変色する葉焼けが発生します。葉量が少なくなると果実が直射日光にさらされやすくなり、果実表面が白〜黄色に脱色する「日焼け果」が生じます。日焼け果は商品価値を大幅に下げるだけでなく、腐敗の入り口にもなります。

果実品質の低下

高温下では糖度が低下し酸味も弱まる傾向があります。果実の色づきが不均一になる「着色不良」も高温期に多発し、一等品比率が下がる原因となります。

クマキチ(question-light)
高温になると花が落ちやすくなるんですね。30℃を超えると対策が必要なんでしょうか?それとも35℃からですか?

高温障害が発生しやすい条件

温度と時間帯

ハウス栽培では外気温35℃超の日に内部が45℃以上になることもあります。特に午前10時から午後3時の間が高温ピーク時間帯で、この時間帯の換気管理が重要です。近年の猛暑では露地栽培でも連日30℃超が続くことがあり、露地でも高温障害対策が欠かせません。

土壌水分と蒸散

土壌が乾燥すると根の吸水能力が低下し、植物体内の温度上昇を冷やす蒸散作用が弱まります。高温期は特に土壌水分の管理が重要で、適切な灌水によって葉温を下げる効果が期待できます。

高温障害への対策

換気と遮光

ハウス栽培では側窓と天窓を最大限に開放して換気を図ります。遮光ネット(遮光率20〜30%程度)を使用することでハウス内温度を3〜5℃程度下げることができます。露地では防風ネットや遮光資材を活用し、特に午後の西日が当たる方向への遮光が有効です。

適切な水分管理

高温期は早朝または夕方の涼しい時間帯に灌水を行います。午後の高温時に灌水すると水温が高くなり根を傷める恐れがあるため注意が必要です。マルチングを行うことで土壌温度の上昇を抑制し、水分蒸発も防げます。

バイオスティミラントの活用

植物の暑熱ストレス耐性を高めるバイオスティミラント資材の利用も有効です。アミノ酸・糖類・海藻成分を含む資材は高温ストレス下での植物の代謝を助け、回復を促します。施用は高温期前の予防的使用が最も効果的です。

換気と遮光、それに水管理とバイオスティミラントの組み合わせが高温対策の基本です。早めの準備が収量を守りますよ。
ロボットキャラ(confirmed)

よくある失敗例と注意点

遮光しすぎると光合成量が低下して収量が落ちるため、遮光率の選定は慎重に行います。また「症状が出てから対策を始める」では手遅れになることが多く、梅雨明け前からの準備が重要です。

まとめ

トマトの高温障害は換気・遮光・水分管理の3点を基本として対策します。バイオスティミラント資材の活用で植物のストレス耐性を高めることも有効な手段です。

高温期に関連する生理障害としてトマトの尻腐れ病の原因と対策もあわせてご確認ください。